TEL. 027-326-2700
〒370-0044 群馬県高崎岩押町11-5
熱設計何でも相談室の扉を叩いて頂きまして有難うございます。 電子部品・電子機器の小型化とそれに伴う発熱密度の急上昇により、熱設計はますます困難なものになりつつあります。
当相談室も2000年に開設以来、会員数が2万人を超え、熱問題の深刻さを示すものとなっています。2010年以降、熱に起因したリコールが多発し、膨大な改修費用を投じることも珍しくなくなりました。
「当たり前品質」である「熱」は、どうしても後回しにされる技術課題でした。まず機能・性能を優先して設計し、その結果として発生してしまった熱は最後に解決・つじつま合わせする というスタイルで長い間設計されてきました。しかし、このようなスタイルを継続していては必ず熱設計の失敗に至ります。熱設計の失敗とは主に以下の3つです。
@市場で問題を起こす
A温度基準を満足できないため出荷が遅れる
B冷却機構にコストをかけすぎてしまう
昔と違って、今や実装面での物理的制約が少なくなり、ややもすると熱的な壁(原理的に要求を満足できない)を超えてしまうことがあります。このような問題に対処するため、フロントローディング(CAEを使った設計検証)、デザインレビューの強化、ナレッジマネジメント などの断片的な対策が採られることがありますが、一面的な取り組みではほとんど効果は期待できません。以下の4つの取り組みがバランスよく行われない限り、問題は解決しないのです。
@スキル:設計者が熱に関する基礎知識や定石をよく理解し熱対策のアイディアを出せること
Aプロセス:熱設計手順を定め、標準化することで人によらない設計ができること
Bツール:シミュレーションなどの設計ツールを活用する体制やプロセスを構築すること
Cルール:熱設計基準(目標)を定め、ツールの運用や判定基準などのルールを決めること
本相談室では、これまで多くの企業のスキル教育やプロセス改革を手がけ、ツールの展開、ルール策定、製品の熱対策などについてご支援してまいりました。こうした経験に基づいて、熱でお困りの方に少しでも役立つ情報をご提供できれば幸いです。このサイトは、企業を超えた業界全体での情報共有を目指します。
今後ともよろしくお願い申し上げます。
代表取締役 国峯尚樹